【Android】メールアプリのPOP3とIMAPの違いを分かりやすく解説します。
そもそもPOP3とIMAPはメールの受信方式のこと
メールアプリには必ず受信サーバ設定を行う必要があり、メールを受信するためにはPOP3かIMAPのどちらかの方式を必ず使わなくてはなりません。
とは言え、どっちにどんなメリットやデメリットがあるのかを先に知っておきたいですよね。
そんなわけでネットワークエンジニアの僕が簡単に解説していきたいと思います。
pop3とimapの特徴と違い
先にPOP3とIMAPそれぞれの特徴を解説しておきます。どちらが向いているかは個々の利用シーンで変わってきます。
POP3は単一の端末での利用する方に向いている
POP3は「post office protocol version 3」の略称であり、電子メールを保存しているメールサーバーから、メールを受信するためのプロトコルです。
- 読み方は「ポップスリーまたはポップサン」
- メールをメールサーバに問い合わせ、メールを端末内に取り込みます。
- オフライン時でもメールを閲覧することが可能です。
- メールをダウンロードするためメールサーバにはメールが残らない。
IMAPは複数端末でメールを閲覧する方に向いている
IMAPは「Internet Message Access Protocol」の略称であり、POP とは異なり、メールをメールサーバに保存したまま管理するプロトコルです。
現在はIMAP のバージョン 4 ( IMAP4) が一般に使われています。
- 読み方は「アイマップ」
- 正式名称は「Internet Message Access Protocol」
- メールをメールサーバに問い合わせ、メールサーバに置かれたメールを閲覧する。
- メールを見にいくたびに通信が発生し、オフラインでは閲覧できない。
- メールサーバにメールを見に行くため、どの端末からでも見れる。
この説明の意味がよく分からなかったという方にもわかってもらえるように図に示しています。
POP3はメールサーバからメールデータをダウンロードしてくるため、1つの端末でしか見ることができません。
一方でIMAPの場合はメールサーバにメールデータを見に行くため、どの端末からもメールを見ることが可能です。
主にこれらの違いを意識して、どちらを利用するか選択しましょう。
POP3とIMAPのそれぞれのメリット・デメリット
上記で解説したそれぞれの違いと特徴と若干被りますが、メリット・デメリット観点で解説します。
POP3のメリットとデメリット
メリット
- オフライン時でも受信したメールの閲覧が可能
- メールサーバの容量をほとんど必要としない
- メールソフトに設定時でも受送信以外は通信は不要のため動作が軽い
POP3は 受信済みのメールは自動で削除される仕様になっており、メールサーバーの容量をほぼ考慮せずに利用が可能です。
デメリット
- 複数端末でメールを見ることができない
- メールをダウンロードした端末が壊れると、そのメールは見れなくなる
複数の端末でアクセスすると、メールが個々の端末にばらけてしまうので「あのメール受信したけどどこ行った?」というような状況になってしまいます。
IMAPのメリットとデメリット
メリット
- 複数端末でメールを見ることが可能
- メールをダウンロードしないため、端末が壊れたとしても影響なし
近年流行りの「いつでも、どこでも」同じようにメールが見れるのは大きいメリットとも言えます。
デメリット
- オフライン時は受信メールが閲覧できない
- メールサーバの容量を超えるとメール受信ができない
- メールソフトに設定時、常時通信が必要になるため動作が重い
会社ではIMAP方式を使ってメールをPCから見たりスマホから見たりしているためOutlookが重たいです。さらに通信環境が悪いと激重です。
POP3とIMAPの比較
POP3とIMAPの特徴を表で比較してみます。
POP3とIMAPの比較 | POP | IMAP |
---|---|---|
メールの保存場所 | スマホ端末にダウンロードし保存 | メールサーバー内に保存 |
メールサーバに必要な容量 | スマホにダウンロード後、サーバからメール削除するため そこまで大きな容量は不要 (サーバに保持期間中は、サーバ上に残る) | 全メールがサーバ内に保持される (容量いっぱいになると削除する必要あり) |
メールの操作感 | 処理は速い (閲覧・削除・移動などの操作に通信が不要なため) | 処理が遅い (閲覧・削除などの操作には通信が必要になる) |
複数端末での管理 | 使いにくい | 使いやすい |
受信メールサーバの設定でIMAPとPOPを変更可能
メールサーバの設定では、多くの事業者ではIMAP方式とPOP方式の両方が提供されています。
例えばOCNモバイルONEから提供されるメールアドレスの場合、以下のようにPOP3かIMAPかを選択することが可能です。
受信メールサーバー(POP3)設定
受信メールサーバー(POP3) | pop.ocn.ne.jp と入力 | ||
---|---|---|---|
ポート番号 | 995 と入力 | ||
SSL | 使用する | ||
ユーザー名 | メールアドレスをすべて入力 |
受信メールサーバー(IMAP)設定
受信メールサーバー(IMAP4) | imap.ocn.ne.jp と入力 | ||
---|---|---|---|
ポート番号 | 993 と入力 | ||
SSL | 使用する | ||
ユーザー名 | メールアドレスをすべて入力 |
各メールアプリにて、上記のように設定することでIMAPとPOP3のどちらの方式を利用するかを変更することができます。
Gmailでも受信できるので、他のメールアプリを使わずにOCNメールを受信することが可能です。簡単ですね!
まとめ|自身の使い方に合った受信方式を使おう
本記事ではメールアプリのPOP3とIMAPの特徴と主な違いについて解説しました。
今では格安SIMへの移行によりキャリアメールをやめてプロバイダから提供されるメールアドレスやGmailをメインに使っている方も多く、各メールアプリに設定が必要になってきています。
その設定でPOP3とIMAPで迷う方の参考になれば嬉しいです。
通信プロトコル観点からの話になりましたが、要は
- POP3は自身のスマホにメールをダウンロードする
- IMAPはメールサーバに見に行く
とだけ覚えればOKです。